Aperitif 食前酒 ~ パスティス ~

グラスに注がれた黄金色の透明のリキュールに、ほんの少量の水、
あるいは氷を落とすと、あら不思議!?
一瞬で透明の液体がミルキーなクリームイエローに変わっていきます。
この不思議な液体は、フランス人が最も愛するリキュールのひとつ「パスティス」。
スターアニス(いわゆる八角)、フェンネル、リコリスなどの薬草をスピリッツに漬け込んで蒸留した、
マルセイユ生まれの個性的な風味のお酒です。
水を加えると白く濁るのは、薬草のエッセンシャルオイルと水が反応するためなのだとか。
度数は45度でやや強めですが、飲み口はとろりと甘く、
インパクトのある薬草の香りがお口いっぱいに広がります。
その味は「歯磨き粉」などと称されることもあり、
日本人にとっては少々、好き嫌いの分かれるお酒ですが、
フランス人はこのパスティスを本当によく楽しみます。
ストレート、ロック、水割り・・・・
ちなみに、水で割るときは、 水5に対してパスティス1という割合が定説なのだとか。
最も代表的な「ペルノー」をはじめ、さまざまな銘柄がありますが、
フランスでもポピュラーな「51(サンカンテアン)」という銘柄の名前は、
その「5:1」をもじった洒落だというのも、ちょっとした“酒の肴”になりそうな逸話です。

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